私立大学受験では国語(現代文・古文)と英語以外に何かしらの地歴公民を選択した1科目の合計3科目で受験することになります。
では、その地歴公民選択はどうすればいいのでしょうか?簡潔にお答えすると、
選ぶ候補は3科目!自分の好みやタイプ、受験攻略法によってそれぞれ選ぶ!
この記事では社会科目それぞれの特徴をお話ししたうえで、どういった受験生におすすめなのかを述べたいと思います。
選ぶ候補の3科目とは?
まず、地歴公民は全てで世界史A、世界史B、日本史A、日本史B、地理A、地理B、現代社会、倫理、政治・経済の9科目です。
これだけあったら何を選べばいいかわからなくなってしまいますよね。
世界史A、日本史A、地理AとはそれぞれBの内容の範囲が狭くなったもので、そもそもほとんどの私立大学で受験科目として選択することはできませんので候補から除外できます。
また、現代社会、倫理についてもほとんどの私立大学で受験科目として選択することはできませんので候補から除外できます。
地理Bに関しては大学、学部によって受験科目として選択することができますが、その数は多くはないので今回の候補3つからは除外します。
ここまでで残った世界史B、日本史B、政治・経済が選択科目の3候補になります。
ここからはこの3候補の特徴とおすすめする受験生についてお話していきます。
世界史Bの特徴とおすすめな人
特徴
3候補の中でも一般的かつおすすめなのは世界史Bと日本史Bです。この2科目はほぼすべての私立大学で受験科目として選択することができるからです。
令和3年度の共通テスト世界史B受験者数は85,690人でその数は日本史B受験者数の約半数で、この割合は私立大学においてもあまり変わらず、日本史Bよりも少数であることがわかります。
世界史Bの特徴として初めに挙げることができるのはその範囲と暗記量の膨大さです。人類誕生から現代までの世界の歴史を扱うので、範囲を終わらせるだけでも苦労です。
そのため日本史よりも横の範囲(同時期に各国で起こっている出来事の把握)も広く、高校から初めて触れる内容が日本史に比べてはるかに多いです。
これらのことから世界史は通史を終わらせることにも時間と労力がかかり、得点を安定させるまで力をつけることが大変です。
ここまでを見ると世界史Bを選択するメリットなどないように思えますが、しっかり存在します。それは範囲の膨大さゆえに問題は比較的浅いということです。
また、カタカナが多いため、書くことではなく、口に出すことによって暗記が可能ということです。これによって反復効率が上がり、暗記がしやすくなります。
6割を安定してとれるようになるまでに非常に時間がかかりますが、そこからの得点アップにはあまり時間がかからず、取り掛かるべき学習を行えば高得点を狙うことができる可能性が高いです。
おすすめな人
簡潔に言ってしまうとカタカナが得意な人、漢字が苦手な人です。実際こういった単純なことで決める学生も意外といます。
マルクス=アウレリウス=アントニヌスなんてカタカナがだめだという人は覚えにくいですよね笑
受験攻略的には根気強く暗記する覚悟があり、”6割を安定してとれるようになるまでに非常に時間がかかりますが、そこからの得点アップにはあまり時間がかからず、取り掛かるべき学習を行えば高得点を狙うことができる可能性が高い”を狙い、時間をかけてでも得点源にしたい受験生です。
日本史の特徴とおすすめな人
特徴
令和3年度の共通テスト日本史B受験者数は143,363人でその数は世界史B受験者数の約倍で、この割合は私立大学においてもあまり変わらず、ほとんどの受験生が選択しているといっても過言ではない人気の科目です。
日本史Bの特徴として挙げることができることは問題の深さです。日本史は世界史に比べ横の流れというものが少ないので縦の流れが重要視され、それゆえ深いところを突かれる問題が多いのです。
実際に過去の入試問題でも誰がそんなことを知っているんだという問題がでていたりします。
日本史のメリットとしてはいってしまえば小学校、中学校とずっとやってきた内容の発展なので流れがある程度理解できているということです。
もちろんそんな単純な問題は出ないので直接的に得点になるということはあまりありませんが、歴史をやるうえで全体像が分かっているということは重要で理解の手助けになります。
また、世界史に比べ早く通史を終えることができ、早期に得点を安定させることができます。
これらのこともあり、6割を安定してとれるようになるまではあまり時間がかかりませんが、そこからの得点アップは深い問題の暗記が重要なため時間がかかり、世界史ほど楽に高得点が取れない印象。
おすすめな人
簡潔に言ってしまうと漢字が得意な人、カタカナが苦手な人です。また個人的には徳川将軍や内閣総理大臣をすべて暗記している人たちを見ていて無理だなと思いました笑
受験攻略的には他の教科により時間を割きたいから地歴公民は6,7割で固めて他教科を強化したいという受験生にもおすすめです。
政治・経済の特徴とおすすめな人
特徴
令和3年度の共通テスト政治・経済受験者数は45,324人でその数は世界史B受験者数の約半数、日本史Bの受験者数の3分の1で、この割合は私立大学においてもあまり変わらず、3候補の中では選択している受験生は最も少数になります。
そもそも受験科目に政治・経済を選択できるということを知らない受験生も多くいますが、それも無理はないかもしれません。
昔は政治・経済で受験できる大学も少なかったようですが、現在では有名大学でも受験することができるところが多くあります。
しかし、現在でも政治・経済で受験できない大学・学部も存在するので必ず、自分の受験大学を確認するようにしましょう。
政治・経済の特徴として挙げることができるのは世界史Bと日本史Bと比べ量が圧倒的に少ないことです。
そのため夏や最悪2学期から始めてもある程度完成した状態で受験に臨むことができます。
ただ暗記量は少ないものも問題の難易度が高いため、得点を安定させることが難しいです。
このことから最も早く6割に達することができ、得点を安定させるが難しいうえ、そこからの得点アップは難しく、高得点獲得は難しい印象です。
おすすめな人
夏のぎりぎりまで部活をやっていた受験生や他教科に時間をかけたい受験生など、地歴公民にあまり時間をかけることができない受験生です。
暗記が苦手、政治や経済が好きだという人もいると思います。
まとめ
今回の記事では私立大学受験では地歴公民選択をどのようにすればいいのかという内容を書かせていただきました。
基本は世界史Bか日本史Bを選択し、場合によって政治・経済を選択すると良いでしょう。
極論、どの教科を選ぼうが踏むべきステップを踏み、学習を行えば得点することができます。難しく考え込みすぎないようにして、少しでも早く学習に取り掛かれるようにしましょう。
なお、僕は世界史Bで受験しているので世界史Bについての記事も書いています、ぜひ参考に!
追記
独学で乗り越えられるとはいったものの、やはり一人で学び続けることの精神的負担や嚙み切れない内容の問題はでてくるかもしれません。
大学受験自体のシステムや知識の不足もあると思います。
そんな方には必要に応じて家庭教師としてお手伝いさせていただくことも可能です。(担当教科はおよび対応レベルは下記著者プロフィールをご参考ください。)
現在は中学生の家庭教師を担当しており、塾での高校生の指導も経験済みです。
もし、気になる方がいましたらお問い合わせよりお気軽にこちらについての質問、申し込みなどお寄せ下さい!
著者の受験プロフィール
受験教科
英語、国語(現代文、古文)、世界史B
合格実績
在学中H大学法学部法律学科合格(T日程およびA日程)
学習院大学法学部法学科合格(コア試験)
成蹊大学法学部法律学科(A方式合格)
成城大学法学部法律学科澤柳奨学金特待生合格(A方式)
東洋大学法学部第一部法律学科合格(一般前期3教科国語重視)
専修大学法学部法律学科合格(全学部統一入学試験)